ぶらり京都のまちあるきはいろいろな切り口で京の魅力を味わい尽くそうという、大好評のこの講座。大政奉還150年目にあたる今年度第1回目(4/28)は、2017年3月に東大手門の修復が完成したばかりの二条城から始まりました。

大政奉還の決意表明が二条城で徳川慶喜将軍によって行われてから今年で150年目。二条城では、3月に東大手門も装いを新たに、多くの観光客を迎えています。
今日の案内役は京都検定1級合格者が多数在籍する「特定非営利活動法人(NPO)京都観光文化を考える会・都草」の会員に務めて頂きます。
広大な二条城のなかをめぐり歩きながら、東大手門が三代目であること、神泉苑との関係、通常の城にはない唐門や築地塀の存在、あらゆる場所にある御紋が葵(徳川)から菊(朝廷)へどのように衣替えされたか等々を詳しく解説頂きます。
また、国宝の二の丸御殿の中では、公的な場所では徳川の威光を表す松や虎(当時は剥製を見て描いたそうです)が表され、プライベートな空間(白書院等)に進んでいくほどに柔らかな雰囲気が演出されていることを、受講者は目の当たりにしていました。うぐいす張りの廊下がキュッキュと楽しく鳴り続けるなか、能舞台、厚さ35cmの表裏で柄の異なる欄間、豪華な折上格天井(おりあげごうてんじょう)等の在りし日の威光を偲ばせる美麗な細工に酔い痴れました。
二の丸御殿を出ると、本物のうぐいすが「ホーホケキョ」と見送ってくれるなか、神泉苑へ向かいます。二条~三条、大宮通~壬生通までの広大な苑は平安京内裏の禁苑。承久の乱や応仁の乱などなどで荒廃、復旧を繰り返し、徳川家康が二条城を造る(1607年)ときに北部の四分の一ほどを土地こんで縮小した。桓武天皇・嵯峨天皇の度々の行幸、弘法大師、小野小町、静御前の逸話など、苑にまつわる解説を受けて春のまちあるきを楽しみました。

京都市が指定する伝統産業等の職人さんにお話を伺う「京の職人―匠のしごと―」が、今年度も開講いたしました。4月26日のトップバッターは瓦工事の光本大輔さん。瓦の深くて濃い話を、爆笑しながら伺いました。

第1回は「瓦屋さんの瓦の話」と題して、光本大助さん(京都府瓦工事共同組合理事長・光本瓦店有限会社代表取締役)に、日本の瓦の歴史、瓦の種類、瓦の葺き方などについて解説いただきました。
 「遠目から見たら、家の半分、瓦やさけ、家の表情は瓦が大事ですわね」という言葉に目から鱗が落ちます。しかし、多くの人は自分の住んでいる家の瓦がどのようなものか意識したことがないものです。そのような瓦について、深くて濃い世界の一端を除いていきましょう。
日本に瓦が伝わったのは西暦588年、飛鳥寺を建てるために百済から技術者を呼び寄せたことが始まりとのことです。瓦にも形状と製法がいろいろあり、京都・京阪神で広くみられる「いぶし瓦(銀色の瓦)」は、日本全国で見ると占有率は「陶器瓦(色彩)」の方が多いそうです。雪止め瓦の発明(福井県)、防災瓦、熊本城の瓦、現代の瓦の製造方法・葺き方(ずいぶんと軽くなっているそうです)、「禁門の変」の焦土から出てくる瓦、樋はいつから出てきたか、瓦葺きと換気……と面白い話題が尽きることがありません。瓦はほとんど視界に入らないのにこんなにも私たちの生活を支えていてくれたとは知りませんでした。「屋根の上の力持ち」ですね。真夏の屋根の上での作業に耐えられるタフな光本先生の歯切れよい京都弁に、受講者は爆笑しながら興味津々の2時間でした。