5年目を迎えた「劇を創る―高齢者の創造活動」。日頃思うこと、心に留まったことなどを絵にして、そのエピソ-ドを語り合い、たちまち寸劇を作り上げます。話し合いを重ねながらストーリーを創り上げます。講師は京都自動青少年演劇協会代表世話人・荒木昭夫さんです。

「言いたいことを劇にする」。この講座方式は変わりません。「面白そう」と吸い寄せられて、初めて出会った人たちの集団。5年生二人、3年生二人、2年生二人、1年生一人。4月3回の講座でもうすっかり家族です。―劇のある暮らし―。ちょっと一言、会話をすれば、みんな同じ体験をしてきたことがわかるのです。人間ってみんな正直ですね。「創る」という目線で見れば、すっと未来も我がコトのように見えてきた体験。これが人格を形成します。人さまとの、付き合い方も見えてきます。それが“演劇”という表現活動なのです。
月3回のペースで開催する講座で、早くも4月の講座で作品「歌が……聞こえる」というお話が出来上がりました。粗筋は…西陣です。機織りの音は途絶えました。少しばかりの手内職と、少しばかりの年金暮らしの一家に心配事がつきません。一人息子はいまだ独身、35歳、ひきこもり。60年前、19歳で家出をしていた姉が突然現れました。フランスで歌を唄って暮らしていたって?そんな婆さんがかってにまいこんできて! でもその婆さんの活力がすごい。貧乏なんてへっちゃらで。体が歌えば心が弾む。そう。京西陣には「どんぐり合唱団」という「先達」がありました。

「日本の近現代史」の講座(4/28)は3年目を迎えました。3年目は副題「戦後をどう見るのか」と題して戦後史を詳しく勉強します。1945年からスタートした新日本。「みな一様に同じ」に戦後を迎えたのではありませんでした。

 講師は開講時から引き続き原田敬一先生(佛教大学歴史学部教授、岩波新書のシリーズ日本近現代史(第3巻『日清・日露戦争』)編集委員)です。今年度の第1回は「敗戦の姿」と題し、1945年8月に終わった第二次世界大戦前後の状況を詳しく勉強しました。
一般に、8月15日に「ポツダム宣言受諾により第二世界大戦が終わった」と多くの人が認識していますが、実際には、早くにアメリカ軍によって占領されていた沖縄では6月から新しい体制の構築が始められていました。また、大日本帝国が統治していた各地(朝鮮、中国の一部、フィリピン等)では8月以降も戦闘が続いていた地域もあります。1945年8月10日にはポツダム宣言の条件付き受諾が閣議で正式決定され、スウェーデンとスイスに向けて送信されていました。「内地」と「外地」、日本の委任統治領のどこで戦後を迎えたかという観点からも、民間人、軍人、指導層、被支配者層、女性、男性、子供といったそれぞれの立場からも、異なった戦後を迎えたことが、「多くの資料を合理的につなげる読み方」によって明らかにされていきます。また、アメリカ、ソ連、アジアに植民地を持っていたオランダやスペインなどの諸国、その後に独立戦争を戦った支配された国々といった、どの立場に立つかによって、戦争・戦後の貌がまったく異なってくることに目を見開かされる2時間でした。