2016年度 京都高齢者大学校 講座案内

注目

2016年1月14日付で京都府の後援が決定しました。
2016年3月1日付で京都市教育委員会の後援が決定しました。

講座案内

受講方法などの詳細は「募集要項」をご覧ください。

1.時事問題を考える
第3水曜日(ただし、4・5・12月は日程変更) 14:00~16:00
2.健康講座
第1木曜日(ただし、5月・11月は第4木曜日) 14:00~16:00
3.京の都の歴史と文化
第3木曜日 14:00~16:00
4.バイオの世界
第3金曜日14:00~16:00
5.宗教の世界
 ●3/16 定員に達したため締め切りました。
第2水曜日 14:00~16:00
6.劇を創る―高齢者の創造活動
第1・第2・第3火曜日 13:30~16:30
(舞台発表会に向けて9月は毎週火曜日、発表会前日はリハーサル)
8月は休講
7.うたごえと音楽
第2木曜日 14:00~16:00
8.芭蕉と旅する『奥の細道』―旅の真実に迫る―
第3火曜日 14時~16時
9.京の職人―匠のしごと―
第4水曜日(ただし11月、12月のみ第3月曜日) 14:00~16:00
8月も開講、1・3月は休講
10.日本の近現代史
第4金曜(ただし、8は第3月曜日) 14:00~16:00
11.ぶらり京のまちあるき
 ●1/21 定員に達したため締め切りました。
第4木曜日 10時~12時(小雨決行)
12.意外とオモロイぞっ!植物園
 ●2/8 定員に達したため締め切りました。
4月第1金曜日 7月・11月、2月は第2金曜日 いずれも13:30~16:00
13.楽しいマジック
第4火曜日(ただし12月は第2火曜日) 14 : 00~16 : 00
14.パソコン講座
毎週金曜日(8月は休講) 13:30~15:30

※日程等は一部変更になる場合があります。

芭蕉と旅する『おくの細道』④(7/19)は越後路に入り、新潟から市振までの11日間、約185㎞の旅です。新潟の海岸線の距離は130里(約520㎞)。この距離を14日かけて歩きます。光田和伸先生の解説は情景をリアルに浮かばせる語りで旅の情緒を楽しませます。

芭蕉と旅する④160719 003 芭蕉と旅する④160719 018 芭蕉は暑さと湿気と持病の胃腸病、痔に苦しみながらの旅。新潟市から直江津市までの5日間、折しもロマンチックな七夕(旧暦7月7日、新暦8月16日)を迎える。出雲崎で読んだとされる有名な2つの句「文月や六日も常の夜には似ず」「荒海や佐渡に横たふ天の河」が詠まれた情景を織女と牽牛にまつわるロマンを背景に解説が進みます。最初の句は、7月6日に織女が牽牛に合う前日、天の河で沐浴をして身を清めたとされる夜を背景にした句。「荒海や…」は快晴の新潟から見える穏やかな佐渡島が翌日には激しい風雨で荒れ狂う佐渡海峡を天の河に見立てて、流人の島・佐渡島と本土の愛しい人に会うことを妨げているという奥の深い解説。市振宿では一つ家で遊女も登場するエピソードを発句。新潟付近の地図や曽良の随行日記なども駆使して当時の情景をリアルに描写しながらの講義となりました。次回は越中から金沢までの旅です。

「バイオの世界」第4回(7/15)は「量子と生命―古くて新しい物語―」と題し、長浜バイオ大学准教授・西郷甲矢人先生に講義をして頂きました。「とにかく難解!」と敬遠してしまいそうな「量子」、「バイオサイエンスと量子がどう関係あるの?」という一般人の素直な疑問に、数学と物理の専門家である西郷先生がロマンいっぱいに、分かり易く展開されました。

バイオ④160715 020バイオ④160715 008祇園祭の宵々々山で夏真っ盛りを迎える京都。炎暑に負けない熱意で自己紹介より前に講義を始めてしまった西郷先生は、「気楽に行きましょう」と物理学に身構える受講生を和ませます。光の性質を「10億円」「10万円」とお金に例えたり、身近な日焼けの話に例えたりして分かり易く説明されると、受講生から笑いが起きました。そこから一気に、光の性質が波であり粒であること、私たちが肉眼で見える世界(マクロな世界)で通用する物理法則と見えないほど小さな世界(ミクロの世界)での物理法則(量子論)、光合成や渡り鳥の不思議と量子論の関係と畳み掛けていきます。直感では実感できない量子論の講義にも、受講生たちは先生の情熱に導かれて食らいついていきました。「世界は時計仕掛けのように決定されているわけではない。私たちの生命現象にも量子論的なものが有り得る。ミクロのふわっとした揺らいでいる(時計仕掛けではない)現象が、マクロの方にまで影響を与えているのが生命かも知れない」というロマンあふれる言葉で締めくくられた講義は、生命の不思議さに心打たれるものとなりました。質疑応答でも明快な説明で理解と関心が深まりました。【当日の受講者一言感想より】■数学は大嫌いと思っていましたが、西郷先生の講義をお聞きして、おもしろいものだと感じました。奥が深くて、又、興味深いものだと思いました。■とても難しいお話がわかりやすい例えと楽しい話で興味が深くなった。いろんな可能性が無限にあること、自然というものがすごい力をもっているのを改めて感じる。自然のミステリーのおもしろさを感じた。

うたごえと音楽④(7/14)は6月に続いて山本忠生講師の指導と橋本典子さんのピアノ伴奏で「合唱はあそび」の2回目。と混声合唱、同声合唱ジュェットをおりまぜながら輪唱曲にもいどみました。

うたごえと音楽④160714 011 前回の課題曲「ともしび」を思い返しながら混声合唱で始まります。「 自分の声に自信をもって」「楽な姿勢で、のびのびしながら息をついで」「すべて同じ音量でなくて、息継ぎのつぎの頭を大切に」「言葉(歌詞)の中にどんな想いがあるのか考えながら、想像しながら歌うと楽しくなる。ドラマを思い描きながら、リズムとテンポを合わせて」など、練習の合間に的確なアドバイスでみるみるハーモニーが美しくなっていきます。後半は今日の課題曲はタンタタターン タンタタターンのリズムが気持ちいい「うるわしき春よ」で遊びます。リズムを合わせて輪唱すれば合唱曲になる歌です。男性が先に歌いだし、女性が追いかける。リズムがあった時は美しく響きます。この歌も歌い込んで最後の仕上げは立っての合唱になりました。今日の臨時受講者のうち、奥村長浜バイオ大学事務局長(高齢者大学校幹事会責任者)が作詞・作曲した出来立てほやほやの長浜バイオ大学・高齢者大学校「応援歌」もみんなで合唱。奥村さんからは「学園創立70周年になる今年秋の学園祭に是非初披露で歌いに来てください」と呼びかけられました。

宗教の世界④(7/13)は西山光明寺で「みほとけの真に生きる」と題して櫻井随峰師(西山浄土宗総本山光明寺教学部長、光明寺執事)の講話と大田師の案内と解説でたっぷりと拝観させていただきました。

宗教④160713光明寺 023
宗教④160713光明寺 044宗教④160713光明寺 035 浄土宗の宗祖は法然上人。総本山光明寺は法然上人が開宗した所。その弟子で、西山(せいざん)上人が受け継いだ。現在法然上人の弟子で宗派を残しているのは親鸞聖人の東西本願寺、鎮西上人の知恩院。そして西山3派は光明寺の他、落語の祖で有名な誓願寺(新京極)、永観堂が同じ宗派。櫻井師は西山の教えの根本、そして具体的な信仰の内容について事例もまじえながら法話を進めます。教えの基本は懺悔(さんげ)=反省ではなく悟ること。念仏によってすべての人を救うことにある。本尊である阿弥陀如来が救ってくれることを素直に信じるかどうか、佛様に頭が下がるかどうかが進行の基本と話します。春秋の彼岸は真西に陽が沈む、その先に阿弥陀様が存在するなど、興味深く、深い話を短い時間でしていただき、最後に「凡夫の心=人の心を現した教え」を受講者全員でとなえます。
拝観は若い大田師のよく通る声で解説と案内をしていただきます。釈迦如来を祀る釈迦堂(方丈)とその前の阿弥陀様もかたどった18の石を配した名底「信楽庭(しんぎょうてい)」、法然上人祀る御影堂、本尊の約2メートルある阿弥陀如来立像を祀る阿弥陀堂など、丁寧な説明で拝観します。折下の雨天でも広い境内のお堂が回廊でつながれているため濡れることもなくお寺を挙げての歓迎ぶりと充実した2時間の講座は一同大感激でした。

「意外とオモロイぞっ!植物園」第2回(夏)は、京都府立植物園名誉園長(知る人ぞ知る名物園長!京都府立大学客員教授)の松谷茂先生に「亜熱帯の京都、そこで生き抜く植物たち」を画像での解説を真夏にふさわしく熱く!実際の見学も熱く!解説していただきました。

植物園②160708 048植物園②160708 015松谷名物園長の明るい元気な声で「梅雨の花木と言えば?!」という問いかけから始まった講座。答える受講者も「タイサンボク!」といきなり勉強熱心ぶりを表す返答でノリノリです。それを受けてタイサンボク、アジサイを熱く語りだされる松谷園長は、続けてサルスベリ、キキョウ、ムクゲ、……と夏の花木の生き残り戦略を、花の先・形・色から葉の色・形、幹や枝など植物全体に渡って注目することの面白さを全身全霊で教えてくださいます。トケイソウが自ら動く瞬間を息をのんで見つめる受講者たちの目は子供さながらの輝き。講義の後に、会館前のタイサンボクは目の高さに白く大きな花が観察できます。香りを楽しむ、「タイサンボクの葉っぱの色は?」「緑?」「裏返してみると茶色です」と、鑑賞の仕方、面白さを熱く解説。植物園内を歩いて実際に講義に出てきた植物を見て回る受講者たちは大盛り上がりで、本当に夏休みの子供たちのように生き生きとしていました。園内そぞろ歩きの最後は、講義で感動したトケイソウの実物を北山入口付近の花園で鑑賞しました。今年の夏休みは植物園にまた是非行きたくなりますね!

「健康講座」第4回目(7/7)は山田一雄先生(山田皮膚科医院院長)に「乳幼児~小児の皮膚疾患や皮膚のメンテナンス」という題でお話を頂きました。京都弁でざっくばらんな雰囲気で、幅広い話題に触れながら進められる講座に受講者は楽しみながら参加しました。

健康講座④160707皮膚科 014健康講座④160707皮膚科 008「楽しんでもらいたい」という山田先生の第一声に、受講者は一気に和みムードに。自身の母校、京都府立医大の沿革、明治時代の皮膚科の教育に使われた模型(ムラージュという蝋細工で疾患の模型を作っていたそうです。フランスから職人もたくさん招いたとか)など多彩な話題を織り交ぜながら、乳幼児の皮膚疾患について分かり易く解説されます。太田母斑、苺状血管腫、アトピー性皮膚炎、いぼ、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群など、よく耳にする疾患から耳慣れない疾患まで、その症状・治療法や薬の良い面悪い面について教えて頂きました。蒙古班は白色人種にはほとんど見られないので海外では「虐待であると通報されることがある」ことや、「ケツが青い」の由来であるなど興味深いお話ばかりでした。山田先生は、古来からあった日本語病名(「くさ(湿疹)」「ほろせ(蕁麻疹)」等)が失われ、よく分からないまま西洋医学の病名を使うことで、患者さんと医療者の間に誤解が生じることを心配されています。「ぶつぶつがある」「赤くなって痒い」など「自分の言葉で」症状を説明した方が、よい診察が受けられるようです。

日本の近現代史③(6/24)は「西欧のアジアと日本のアジア」と題して、毎回の原田敬一先生(佛教大学歴史学部教授)による近代の日本がアジアとか変わろうとしたのかの講義です。

近現代史③160624 017近現代史③160624 008アヘン戦争(1839)、アロー戦争(第2次アヘン戦争1856年)以来、進出してきた西欧と、明治維新で軍事強化を図った近代日本は、どのようにアジアと関わろうとしてきたのでしょうか。
 1853年、米東インド艦隊司令長官ペリーが浦賀へ来て開国を求めます。翌54年の交渉で①下田・函館の開港、②米船への物資補給、③漂流民の保護などを内容とする日米和親条約が結ばれます。58年、駐日米総領事ハリスとの交渉で、大老井伊直弼が日米修好通商条約を結びますが、その内容は、関税自治権の喪失、治外法権など不平等条約でした。貿易が盛んになることにより国内は品不足となり物価の高騰を招きます。対外危機と幕府批判が高まり、政権を朝廷に返す大政奉還へとつながり明治維新を迎えます。明治政府は軍事力を背景に国境を画定する路線をとり、「兵備完成の事は実に我が国の最大急務」(山縣有朋・軍事意見書)とする軍事国家への道をつき進みます。

ぶらり京都のまちあるき③(6/23)は平安京のほぼ西端に位置する京都アスニ―(丸太町七本松西)に集合、豊田博一さん(上京探訪シナリオ研究会・元上京区長)と古武博司さん(上京探訪シナリオ研究会・西陣の町屋・古武主宰)の案内で2班に分かれて「平安のみやこを訪ねて」歩きます。11月に東山区をご案内いただく鷲頭雅浩さん(現東山区長)にも参加して頂きました。

まちあるき③160623平安京 016
集合場所の京都アスニー1階には平安京の立体模型が設置されて、東西御前~大宮、南北二条通~一条通の平安京の都の当時のイメージを持って一番の中心地を歩きます。当時の宴会場として使われた豊楽殿跡、大極殿遺址碑から千本下立売を東に入り、794年に誕生した平安京の中心地の大内裏へ。北の方向に広がる天皇の住む内裏や官庁街の広さを実感しながら、○○殿跡跡などの源氏物語ゆかりの碑をながら歴史の解説を受けます。960年代以降、治安状態の悪化などで、内裏は14回焼失、1200年代に焼失してから荒れ地に変わっていく。1391年の3代将軍足利義満と山名家が戦った明徳の乱は大内裏地域が合戦場となった。1587年に豊臣秀吉によって大内裏の位置を意識して、その東北1/4位を使って聚楽第を創り、5・6年後にはことごとく壊したその遺構・南端堀跡、木簡や金を含んだ瓦などたくさん出土されている。智恵光院出水角の公園には終戦直前の1945年6月に空襲で被弾し、約50人が犠牲となったことを記した碑が設置されて今も地域で追悼がされている。
その北側で5年ほど前に京都府警の建物建設地で聚楽第の本丸南堀石垣が出土し、騒がれたことを覚えている人も多いでしょう。この地を最後に体験勉強になった「まちあるき」を終了しました。このマップは上京区役所ロビーにありますので、誰でも入手できます。

「劇を創る」講座の6月の3回は意見を出し合って完成した台本の読み込みと、腹式呼吸による発声練習を繰り返します。

劇を創る⑥60510 008劇を創る⑧160614 004 6月21日は本読み稽古の最終日で、例によって腹式呼吸の訓練から始まりました。受講生の皆さんは休憩もとらず、3時間ぶっ通しの稽古でした。劇のクライマックスに登場するトランペットを吹いていただく方も初めて参加していただきました。演出の荒木先生との打ち合わせもはかどり、先生からの注文で開幕のファンファーレも吹いていただくことになりました。昨年はギター演奏が劇を盛り上げましたが、今年はトランペットが響きます。どんな登場になるかは、お楽しみにお待ちください。7月からはいよいよ立稽古が始まり、10月4日の本番まで続きます。その間には、皆で舞台装置、衣装、小道具のアイデアを練り、揃えなければなりません。舞台に立つだけでなく、裏方の仕事もやるのも劇を創る楽しみの一つだと思います。

「京の職人―匠のしごと―」第三回目(6/22)は、型染めの伝統工芸士である吉江康二さん(有限会社 吉江染工場代表取締役)に「京友禅の歴史と制作現場の声」を届けて頂きました。当たり前に耳にする「京友禅」という言葉。しかし、京友禅について知っていることって、とっても少ないのではないでしょうか?着物や染色の歴史・技術を学ぶことを通して「着ること」に改めて目を向ける講義となりました。

京の職人③160622 011 京の職人③160622 015講義は、まず絹がインドで生まれたところから始まりました。その絹がヨーロッパや中国へ伝わり(シルク・ロード)、中国から朝鮮を経て東の終着点の日本へたどり着きます。同時に着色(当時はまだ「染」色ではないそうです)の技術が伝わり、日本国内の政情や文化の発展に合わせて、着物の形や着色・染色の技術が工夫されていきます。そして、江戸時代中期に大プロデューサー宮崎友禅斎が現れ、明治時代に現れた広瀬治助によって現代の型染め友禅が完成したことなどを、型染め友禅の全工程の動画を見ながら教わりました。受講者たちは、非常に複雑で多様な手仕事の工程を経て京友禅の着物が完成することを初めて知り、美しい着物の向こうにある膨大な手間暇に思いを馳せました。吉江さんは、インクジェットプリンタによる布地の印刷等の新技術も紹介され、受講者からは伝統と新技術の狭間を意識した質問が熱心に行われました。当たり前の「京友禅」や「着ること」、でも知らないことばかりであることを知る2時間となりました。直接工場見学できないかの要望も出て、吉江社長のご厚意で後日、希望者が参加する番外講座が実現します。