2017年度の「宗教の世界」第2回目(5/10)は、仁和寺(真言宗御室派総本山)を訪ね、立部祐道師(真言宗御室派管長・総本山仁和寺第50世門跡)に法話を頂きました。法話の後は2班に分かれてお坊さんの案内で拝観・見学。

 今回は「一味和合(いちみわごう)」という題で、仁和寺の立部祐道師に法話を頂きました。開口一番「今日は……『高齢者大学』とお聞きしておりましたが…確かに『高齢者』…大学ですなあ」と受講者の笑いを誘う、気さくな立部講師。「あいにくの雨ですが、私は今日、胸をときめかして皆さんにお会いしに来ました」と、受講者を温かく迎え入れておられました。
仁和寺の成立(886(仁和2)年に光孝天皇の勅願で建てられ、息子の宇多天皇によって落成)、門跡寺院(皇室とゆかりの深い寺)の筆頭としての地位確立など歴史についてお話頂きます。随時冗談を挟みながら、「全く異なるもの、いろいろなものを寄せ集めて、一つになってこそ豊かなものになる。それを大事にしていかなくてはならない」と“一味和合”の精神の大事さを説いて頂きました。
その後、仁和寺の広い境内をご案内頂きました。受講者は、美しい緑や盛りのつつじを横目に鳥の鳴き声を聴きながら、桜の喧騒が去った静かな霊明殿などを拝観しました。

 今年度から新規開講した「百人一首で、京都を歩く」は、早くも受講者の方々から「この場所に立ってみないと分からないことがあるんですね。ここにこんな通りがあって、こんな石碑があって……歴史上のあの人がここに生きたことにドキドキします」と声が上がる人気講座です。

 河田久章(京都百人一首かるた研究会代表)さんを責任講師として、二回目(5/9)の今月は「京都御苑周辺の百人一首ゆかり」をテーマに歩きます。今回は「悲劇の歌人」として名高い崇徳天皇、菅原道真、三条天皇ゆかりの地を中心に歩きました。
今回の旅の始まりは、白峯神宮(写真)。崇徳天皇ゆかりの、蹴鞠・サッカーの神様として有名な神社です。受講者は禰宜(神職)の方に、白峯神宮設立の由来、含笑花(トウオガタマ)や藤の花を植えている由縁、蹴鞠と清水寺の舞台の関係など興味深いお話を聞かせて頂きながら、崇徳院の苦悩に思いを寄せました。
続いて、小町草紙洗水碑へ。小野小町の別宅があったとされる場所で、今でも良い水の湧く井戸がいくつも現役だそうです。小町通の小さな石碑があり、近くには「日本一の美女」と謳われた右大将道綱母(「蜻蛉日記」の作者)の旧居址もあります。
次は、崇徳天皇が懊悩の末、譲位した地の土御門内裏跡へ。崇徳天皇は九安百首に「ゆきなやみ 岩にせかるる谷川の われても末に あわんとぞ思ふ」と心情を詠んだとされ、百人一首の原型とも推測されています。
そして、一行は菅原道真公生誕の地とされる菅原院天満宮神社で、ミネラル分たっぷりの井戸水を頂きます。今や学問の神様となった菅原道真公でしたが、かつては陰謀による左遷により都に祟りをもたらしたと恐れられるほどに悲劇的な境遇を味わった高官でした。
最後に、五月の緑あふれる京都御苑内の西園寺邸跡辺りの白雲神社、枇杷殿跡へ。枇杷殿は三条天皇が藤原道長に譲位を強要された場所です。
こうして歩いてみると、京都御苑周辺には、かつて栄華を極めそして悲劇に巻き込まれていった人々の人生が息づいていることが感じられます。